2016年03月16日

OT協会誌3月号掲載 連盟便りより【精神科作業療法の現状と制度とのギャップ】

「精神科作業療法の現状と制度とのギャップ」 

                           日本作業療法連盟 三重県責任者 藤井 道美
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 今年で、卒後27年が過ぎ、その大半を精神科で勤務してまいりました。入職したての頃は、院外との繋がりの必要性や集団だけでなく、個別的な関わりの必要性を感じ取り組み始めたことを思い出します。
今、精神科医療は、その軸を入院医療主体から地域生活中心へと軸が変わり、対象者個々の回復に応じた個別と小集団プログラムの組み合わせへと変化してきています。各施設のOT・デイケアプログラムを見ると、個別支援、院外へのアウトリーチ活動、就労支援、心理プログラム等が行われ、若きOT達のエネルギーに更なる可能性を感じています。しかしながら足元をみると、OTの進歩や変化とは異なり未だ変化のないものが、精神科作業療法の診療報酬制度です。診療報酬の問題は、私が入職した頃からOT内では共有し、協会からも国への要望書を提出していただいておりますが、今も制度は運用され、1プログラム当りの時間、取扱人数は「2時間を標準とする」「1プログラム最大25名」は残ったままとなっています。制度は、当然「収益」との関わりが強く、当院においても収益に対する要望もあります。またニーズの多様化から、個別、小集団プログラムへのシフトもあり業務は増加しておりますが、それに反してOT部門の収益は年々低下しています。この現状と制度とのギャップが問題となっています。
話は変わりますが、2013年「アルコール健康障害対策基本法」が成立しましたが、その際わずかながら協力させていただきました。その成立の過程で、地方や国の議員の方々への働きかけ、協力が必要だと改めて感じました。制度を創る、変えるためには、政治へのアプローチが必要で、そのために連盟が設立されたと思います今一度、連盟の必要性を認識し、作業療法士一人ひとりの声を連盟に束ねていきましょう。そして、OTの声を政治に押し出し、OTの必要性を広く国民に知しってもらうことこそ今必要なのではないでしょうか。
 これから生まれてくる若き作業療法士のためにも・・・
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OT協会誌2月号掲載 連盟便りより【文化に溶け込むために】

「文化に溶け込むために」
                  日本作業療法士連盟 京都府責任者 苅山和生
                kariyama.jpg
近年になり、日本の高齢化社会のみならず世界の保健医療福祉の在り方に対して、作業療法のような支援、作業療法士のような人材が健康で豊かな暮らしに貢献することが認められる時代となりました。そのような中、作業療法が社会の一部にいつも存在するものとして浸透するためには、大きく二つのうねりが必要です。一つは、民意が作業療法のある文化を望むこと。もう一つは政治的にその文化を認め必要とするといううねりです。そのいずれかだけでもNoとなれば、制度が一旦変わったかに見えても持続せず、文化としての定着はありません。
例えば、認知症に対して初期からの対応が重要であり、その質が予後に影響を与えることは皆さまご承知の通りです。それを地域住民が正しく理解し、認知症の早期診断を望むことが当たり前の文化になるためには、早期診断=早期絶望にならないよう、地域に認知症早期からの支援が充実する必要があります。そこで重要になるのが、制度を整備し社会資源を運営するための法的支援です。それは正にどこにどれだけ手厚い支援を国として行うかという政治判断とも言えます。@作業療法士は民意に届く実践を行い、A民意が作業療法という社会資源を必要とし、B政治判断により法や制度が整備され、C認知症になっても早期から診断を受けることを恐れない文化が定着する。そうなることで早期からの切れ間のない認知症ケアが実践され、高齢になっても障害があってもどこに住んでいても安心して生活を送ることの出来る国に近づきます
日本作業療法士連盟(以下、連盟)の設立趣旨には、「保健・医療・福祉等の領域において、作業療法が国民の健康的な生活の維持に寄与するために」とあります。健康的な生活維持のため、政治・立法の視点から作業療法が日本の文化として定着すべく、連盟の存在は大きな位置を占めています。連盟が真に活躍できるよう、支持者が増えさらに協力の輪が広がりますように
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