2018年07月17日

OT協会誌2018年07月号掲載 連盟便りより 【職を退いた作業療法士の皆さん、もう一度国家資格を地域支援に役立てましょう】

日本作業療法士連盟会長 杉原素子


 6月5日、地域包括ケアシステム・介護推進議員連盟の総会があり、日本作業療法士協会中村春基会長とともに出席した。
この自民党議員連盟の目指すところは地域包括ケアシステムの推進、自立支援・重度化防止に対する質の高い介護サービスの提供及び制度の安定性の確保、多様な人材の確保等にある。平成30年度介護報酬改定におけるプラス0.54%に対し、議員・関係団体とも許容の範囲という印象であった。
意見交換の場で、ある議員から「関係団体の中で自分が知っているのは医師会、歯科医師会だけであり、他の団体は連盟議員に自分たち組織の存在をもっとアッピールする必要がある」と少々強い口調で発言があった。この議員連盟の関係団体に対し、日常のケアの苦労をねぎらうどころか、かなり上から目線の、しかもご自身の勉強不足も伴う発言に私は驚いた。その発言をなだめる他議員からの発言は無く、むしろ賛同するような雰囲気を感じた。
上記のことはさておき、第三次5・5計画を推し進める日本作業療法士協会は、この議員連盟の目標と同様に、地域包括ケアシステムの推進に真摯に、果敢に取り組む必要がある。本来、体制としては作業療法士が働く場所を、マスとして地域支援・在宅支援に移行することが望ましいのであるが、そのようになれない状況が続き、今日に至っている。
都道府県及び区市町村等各地域における制度の安定性や持続可能性の確保には、様々な世代や、様々な障害を持つ人たちの生活支援を専門とする作業療法士という国家資格を有する人材の存在が大いに役立つ。過日、福祉用具関連団体の会合に出席した際、地域包括ケアシステムの場に福祉用具の活用を知る専門職が居て欲しいとの意見も出されていた。
少子高齢化のこの厳しい状況を、日本がどのように乗り越えていくのかを世界の国々は見つめている。健康寿命の延伸の一翼を担うためにも、障害を持つ人たちの役割を創出するためにも、一旦職を退いた作業療法士の皆さんに、作業療法士の資格を再び活かし、身近な地域支援・地域づくりに、もう一働きしていただくことをお願いしたい。
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OT協会誌2018年06月号掲載 連盟便りより【いわての山なみ】

岩手県責任者 平栗茂(盛岡友愛病院)

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とり囲む山なみが翠濃く、川は静かに瀬々らいでおります。東日本大震災から7年目の春を迎えて被災地から100q以上も離れた内陸にいると甚大な被害を受けた沿岸部のことが今でも夢のように思えてくる日常があります。
震災支援活動には日本作業療法士協会からのボランティアをはじめ日本全国の作業療法士の皆様から支援や協力、応援を戴いたことに心から感謝申し上げます。
岩手県作業療法士会では避難所・在宅支援、仮設住宅での地域づくり介護予防活動などを行って参りましたが、関わらせていただいた仮設住宅団地も集約・閉鎖され自宅の再建、復興住宅入居などと生活の場が移行し県士会としての支援活動事業は6年間で終了となりました。被災地ではそれぞれの生活が営まれている様子が伝わってくるなかで「私たち岩手県作業療法士会の活動に参加して下さった方々はいかがお過ごしなのだろうか」との想いが込み上げてまいります。
作業療法士として地域に関わったことと今もその場所で生活している方々の想いを忘れてしまうことが無いよう、震災への当事者意識を持ち続けてゆかなければと思っている矢先に日本作業療法士連盟事務局より「連盟だより」の原稿依頼を戴きました。
お恥ずかしい話ですが、連盟については設立趣意や日本作業療法士協会を支持するために設立された政治団体であること以外、日本作業療法士協会との関係性や具体的活動内容については熟知しておらず改めて確認いたしました。岩手県作業療法士会はH29年度で会員数700名を超えた一般社団法人ですが、連盟から戴いた資料より岩手県は連盟会員数が2名であったことを拝見し驚くとともに責任者としてその責任を重く受け止めております。
連盟設立から10年を目前にして作業療法士の国会議員が生まれました。また、「リハビリテーション議員連盟 第4回総会(H30.1.31)」にて就任した鈴木俊一新会長は岩手県選出の被災地出身の国会議員でもございます。
「東日本大震災による被災地特区(福島県、宮城県、岩手県)に於ける「訪問リハビリテーション事業所」の継続問題なども抱えております。
急激な社会制度の変化に対応しながら必要とする人たちに十分なリハビリテーションサービスが提供できる環境づくりの実現と作業療法士全体の社会的地位向上には日本作業療法士協会と連携・推進を図りながら政治的働きかけが重要であり私自身まだまだ学んでゆかなければと思っております。
日々の臨床に留まらず私たち作業療法士も政治力を持ち作業療法士からの要望を「山なみ」となって国会に届けていくことも「地域で生活する人々がその人らしく生きてゆける社会づくりに繋がっているのだということ」を伝えながら一人でも多くの岩手県士会会員に連盟に入会して戴けるよう努めて参ります。今後ともご指導どうぞよろしくお願いいたします。
posted by 日本作業療法士連盟 at 09:52| Comment(0) | TrackBack(0) | その他