2017年08月18日

OT協会誌2017年8月号掲載 連盟便りより【倫理的文化を育む】

倫理的文化を育む

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日本作業療法士連盟 会長 杉原 素子



 
衆議院議員 豊田真由子氏の一連の言動に関わる騒動には驚いた、というより複雑な心境である。
日本作業療法士連盟は、これまで氏の政治パーティに積極的に支援し、応援してきた。それは、氏の経歴が厚生労働省老人保健局に在籍していたことや「リハビリテーションを考える議員連盟」の事務局次長の任にあり、私たちの職種への理解者と考えたからである。

また千葉県船橋市出身ではあるが、埼玉県和光市・新座市・志木市・朝霞市の地方選挙区に舞い降り、この選挙区にたまたま私は居住し、最寄りの駅前で氏がビラ配りしている際に、何回か挨拶を交わし、地元の支援者の集まりにも個人的に参加してきた関係でもあった。

 
氏のこの度の言動は、ピンクのスーツを着て女性色を振りまきながら、丁寧な言葉づかいで軽やかに支援者の周りを走り回る氏の姿との落差の大きさに驚く。また、相手を卑下する言葉の数々が氏の頭の中に一杯積め込まれていたことにも失望する。氏の教育歴・学歴は実に輝かしい。
しかし、今回の出来事は、氏の知・情・意のバランスを40数年のこれまでの生活期間に整えることができなかったということなのだろう。私は、日本作業療法士連盟会長として、氏を私たちの理解者と考え、氏の政治パーティに複数回出席してきた。現時点で、連盟の公のお金を氏の政治活動のために供与したことを悔やむ。連盟会員の皆さんに、私の理解者選びの判断の誤りを深くお詫びする。

 
私は立場上、リハビリテーション専門職に「職業倫理」の話をすることが度々ある。ヘルスプロフェッションと呼ばれる私たちの職種は、職能団体として倫理綱領、倫理指針なるものを有する。そこには、謙虚であることを基盤として、慎重且つ常に自分の利益より、他人・集団・組織・社会の利益を優先させる意志を持つこと、つまり「公の精神」と、利害関係・感情・立場の相克の中で適正な判断をすること、つまり「公正さ」が掲げられており、「公の立場」で働く者の最低限の約束を守ることが定められている。今回の出来事を反面教師として、国の資格の下に働く私たちは、「公の精神」と「「公正さ」を肝に銘じ、私たち専門職集団に「倫理の文化」を育てていきたい。

 
さて、政治家が政治資金を集めるために開催する政治パーティは講演付と講演が付かないタイプがある。講演が付かないタイプは、派閥の重鎮や議員たちが代わる代わる壇上に登り、パーティ主催者の業績等を褒め上げる挨拶が繰り返されるものである。一方で講演付のパーティは自身が講演する場合もあるが、大抵の場合はテーマに関する専門家を呼び、弁当付きで話を聴かせてくれるものである。私のこれまでの経験では、専門家の話を聴く後者の方が、質問が許される場合もあり、学べるという印象がある。政治パーティは全て後者のようにしてほしいとずっと思っている。因みに豊田真由子氏の政治パーティは代わる代わる議員たちがお互いに褒め合う挨拶会のタイプであった。

posted by 日本作業療法士連盟 at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 連盟便り
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