2017年12月01日

OT協会誌2017年12月号掲載 連盟便りより【作業療法士と政と連盟】

「作業療法士と政(まつりごと)と連盟」

福島県責任者 渡邉忠義
(NPO法人アイ・キャン)
201712_渡邉忠義.png

折りしも、原稿執筆依頼を受けた翌日が第48回衆議院議員総選挙の公示日であった。安倍内閣は9月28日に衆議院解散を閣議決定し、同日召集した第194回国会の本会議において大島理森衆議院議長が詔書朗読し解散に至った。政局は混沌とし、新党の旗揚げ、政党移籍、無所属議員の乱立、中央と地方政権の混在など、党利党略が目立ち、政争の具どころか“政党の愚”に映った。マスコミは政党や候補者の鼻を折ろうと粗探しに躍起になり、解説者やコメンテーターも流れに便乗し、騒ぎをあおっているようにさえ感じた。相変わらず投票率は約50%と低く、特に若者の足は遠退いている。選挙結果は周知のとおりである。
毎度のことであるが、選挙や政治の茶番を目に耳にするたび、政治不信どころか国の未来に怪しい雲行きを禁じえない。緊急地震速報、全国瞬時警報システム(Jアラート)同様、政治にも社会にも耳を劈く警鐘が必要なのかもしれない。
一方、作業療法士の今回の選挙への関心は、投票率は、どの程度であったのだろう。作業療法士は、市民として国民として大切な想いを封印してはいないか。国民一人ひとりにその人らしく生きることの支援をしているはずの作業療法士が、社会的課題や生活課題にも目を向けているのだろうか。作業療法士の地位や価値の死守に奔走するだけでなく、この国での生き様に正対し、この国をもっと知ることが肝要である。しかし20〜30代の若い作業療法士が約8割を占める組織にとって、政治意識の醸成は容易ではない。但し、その作業は無駄ではない。若いからこそ社会の荒波に揉まれ多くの生活課題に直面しているはずである。反面、若さゆえに解決の術は限られ、日々、不安に苛まれているはずである。若い作業療法士こそ、日ごろの体験や生活、仕事を顧みながら未来の日本を描き、政に向き合う力を顕在化してもらいたい。
福島県内の作業療法にかかる政治的な活動においても、圏域の首長や議員との意見交換レベルであり、行政への要望活動や陳情、請願などへの活動展開には至っていない。したがって国政に意思表示できる土壌づくりや行動変容を導くためにはまだまだ時間を要する。
日本作業療法士連盟は発足から7年、小学校に入学したばかりの年齢である。学びはじめた子供たちへの期待は、肯定的な言葉を並べるできの良さより、「なぜだろう」「どうして」と疑問を投げかける姿にある。斜に構え、穿った見方でもいい。政治や社会に声をあげる若い作業療法士が待たれる。社会に若さの横糸を織り込み、模様を変え、社会という反物を紡ぐ潮流を作らなければならない。
若い作業療法士が政治や社会の力動を学び(作業)、時機を逸せず政治に挑戦する人材(人)を輩出し、そしてその循環構築の作業場(環境)づくりが連盟には課せられている。

posted by 日本作業療法士連盟 at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 連盟便り
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